はじめに
正しいチャイナドレスの買い方というコラムを書いてから、あっという間に9年が経ってしまい、だいぶ変ってしまいましたので改めて最新事情をお知らせしたいと思います。本音を書けば2000年の時は2009年になってもまだチャイナドレスを販売しているとは思っておりませんでした。
市場価格については、現在シルクのチャイナドレスの既製品は15000円、化繊のチャイナドレスは
9000円ぐらいが相場です。ドンキホーテなどのディスカウント店のコスプレコーナーではかなり
安く売られていると思います。また百貨店では5万円ぐらいで売られています。
10年前と比較すると
- 楽天やオークションの出品数が10倍以上にもなってチャイナドレスが溢れています。数が多すぎて分からないので買うのをあきらめてしまおうと思ってしまうぐらいです。
- 既製品は物が溢れているため半値になり、オーダーメイドは現地のコストが上がったことなどから高くなっています。
- 実店舗のチャイナドレスに関しては、かなり進化しました。10年前は買う気の起こらないチャイナドレスしか置いてなかったのですが、最近はデザインも少し変わってきています。お店側もデザインや質が高くないと売れないと実感しているそうで、値段は安くなましたが品質が上がってきました。まだ少数ですが一部のお店では、チャイナ風洋服、チャイナ風パーティドレスなど、今までの中国のお土産風チャイナドレスから日本でも着られるチャイナドレスを販売するお店が現れてきました。
- 実店舗のオーダーメイドについては、お祭りの時期などは例外的に大量に注文が入ってくるそうですが、通常は不景気の影響もありほとんどオーダーメイドをする人はいないそうです。
日本でチャイナドレスが買えるお店
当店で卸販売をしているお店も数社あるのであまり書くことはできないのですが。
各地の中華街(横浜、神戸、長崎)
横浜の中華街ではたぶん8社ぐらいが本格的にチャイナドレスを販売していると思います。チャイナハウスカモメやチャイハネなど同じ地区内に数店舗あるお店もあります。横浜中華街は意外に広くチャイナドレスを見るだけで3時間ぐらいはかかってしまうのですが、最近はお土産調ではないチャイナ服を扱っているお店もありますので、探してみてください。在庫が豊富なので、例えば3日後にどうしてもチャイナドレスが必要というような場合には役に立つと思います。
上海灘
ここのお店は香港を拠点とし世界中に店舗があります。数年前に日本の銀座に日本1号店をオープンしました。ただ価格が非常に高いため若者向けではありません。また基本はヨーロッパ向けなので少し日本人のサイズと違っている気がしました。いい匂いの香水があるので、香水を買うだけでも行く価値があるかもしれません。個人的には香港のセントラル店のドレスが一番好みです。値段は高いですが、洋風のチャイナドレスを作ってくれます。
ヴィヴィアンタム
ここは東京だけでなくて、日本全国に20店舗あります。中国人デザイナーによるアジアンテイストとヨーロピアンテイストが融合されたデザインに特徴があります。
特に刺繍は独自の雰囲気が綺麗です。
ROUROU
数年前に横浜中華街でオープンされたお店で、チャイナテイストの洋服を販売されています。街で着て歩いても違和感がないようなデザインのものが多いです。若者にも買いやすい値段に設定されています。東京にも店舗があるそうです。
現地の事情
2000年に上海でAPECが開催され、当時中国ではチャイナ服ブームが起こりました。でも今では伝統的なチャイナドレスはかなり下火になってしまい、コットン製のドレスなど普段着風ものが流行しています。北京オリンピックでもチャイナドレスを着た女性をたくさん見ましたが、去年チャイナドレスが流行ったという話は聞きません。最近チャイナドレスを見かけるのはテレビドラマが一番多くなりました。ベトナムでアオザイが日常的に着られているのとは対照的です。
製造原価については、チャイナ生地の値段は10%ぐらいしか高くなっていないのですがシルクの裏地代が50%ぐらい高くなり、現地の人件費も50%ぐらい高くなっています。チャイナドレスも安物と高級品とで2極化しています。
また刺繍は現地では時代遅れになってしまい、刺繍職人がどんどん辞めてしまい刺繍をする人がいなくなっているそうです。当店ではないですが、知り合いのお店で蘇州刺繍をしてくれるお店がありますのでもし興味がある方はお問い合わせください。